『マンチカン』起源、性格、気をつけるべき病気、まとめ
まるでダックスフンドのような、小さい体に短い足が特徴のマンチカンですが、この短い足で生まれてくる確率は約二割らしいです!本記事ではそんなマンチカンに焦点を当てて、「起源」「性格」「毛色・瞳の色・足の長さ」「体重」「寿命」「飼いやすいか」「気をつけるべき病気」「長生きのための秘訣」について解説していきます。マンチカンに興味がある方や、これから飼おうとしている方は必見です!
マンチカンの起源は?
猫の中でも短足種というのはとても珍しく、かつ新しい猫種で、アメリカで発見された短足の猫が原産だとされていますが、初めて存在が確認されたのは1994年にイギリスのジョーンズ博士によるものだとも言われています。足の短いマンチカンの姿は突然変異によってできたと言われていますが、第二次世界大戦の頃には姿を消していました。
しかし1953年になると、ロシアでも同じような足の短い猫の報告があり、1964年にはアメリカのニューヨークで、1970年にはニューイングランドでも足の短い猫の存在が報告されています。
1983年にトレーラーの下で暮らしていたブラックベリーと呼ばれる猫がマンチカンの歴史を変えるきっかけになりました。このブラックベリーは妊娠していて、生まれた子猫の半分が短足の猫だったのです。
この短足の子猫のうちトゥールーズと名付けられたオスが繁殖家に引き取られて、短足種の繁殖が始まったのです。当初の交配は短足猫以外の猫たちが使われ、近親交配による遺伝子疾患のリスクを減らす為に異種交配が行われました。
そしてこの短足の小さな猫たちは「オズの魔法使い」に登場する名前にちなんで、マンチカンと名付けられました。
1991年にニューヨークで開かれたキャットショーで初めてマンチカンが展示されましたが、その可愛らしい姿から多くの人を魅了した反面、遺伝子疾患を心配する人もいた為、大きな論争を引き起こしました。この後に、繁殖が続けられて近親交配のリスクが低下していったことで、猫の国際的な血統登録団体である「TICA」がマンチカンを新しい猫種として認定しました。
しかし2014年の時点でも、国際的な血統登録団体であるアメリカの「CFA」イギリスの「GCCF」フランスの「FIFE」は、マンチカンを猫種としては認定していません。純血種のマンチカンの歴史は始まってまだ20年ほどです。今後は時間をかけて、マンチカンの健全化が進むのが待たれます。
マンチカンの足の長さは?
マンチカンの最大の特徴である短い足ですが、遺伝子疾患のリスクを減らしたり、短足同士のかけ合わせは子猫の死産の可能性が高くなってしまう為、通常は短足と長足で交配を行います。結果、短足猫が生まれてくる確率は約2割程度になります。残りは普通の猫と変わらない長さか、短足と長足の中間に当たる「中足」で生まれてきます。
マンチカンの毛色は?
足の長さだけでは無く、毛色や柄もいくつか種類があります。白・黒・クリーム色・茶色などの色だけでは無く、1色の子もいれば複数の色の毛を持つ子もいます。とても希少なケースではレッドやブルーなどが入っている種類もいます。
また、毛が長い長毛種もいれば短毛種も存在しています。マンチカンは同じ柄の猫が存在しないと言われるくらいに様々な毛色を持っています。
マンチカンの瞳の色は?
毛色同様に様々な瞳のタイプがあります。中でも多いのはアンバー色(黄色みを帯びた茶色)、グリーン、ヘーゼル(茶色がかった緑)などです。両目の色が違うオッドアイのマンチカンが生まれてくることもあります。
マンチカンの性格は?
マンチカンはとても陽気で好奇心が強く、遊ぶのが大好きな猫です!人懐っこくて甘えん坊な性格でもある為、ダックスフンドのような胴長短足の見た目から、とても愛らしですね。警戒心の少ない猫なので人や他のペットとも仲良く暮らすことができます。
また、様々な毛色や足の長さの子がいるマンチカンですが、体の特徴による性格の違いはほとんどありません。
マンチカンの体重は?
マンチカンの体重は生後1年の成猫なりたてで約3.5kgです。ただしマンチカンには長足の子と短足の子がいるので若干の幅はあります。
マンチカンの寿命は?
マンチカンの平均寿命は約11歳で一般的な猫の寿命が13〜15歳と言われているので、比較的短命な猫です。しかし、猫の寿命というのは持って生まれた体質や飼育環境に左右されることが大きいので、大切に育ててあげましょう。
マンチカンは飼いやすいか?
マンチカンはとても飼いやすい猫です!比較的大人しい性格の子が多く、警戒心の少ない猫なので、他の猫や動物と一緒でも問題なく飼育できるでしょう。
人に慣れやすい特徴もあり、初めて会う人にも懐くことが多いです。
好奇心が旺盛で、おもちゃなどにはよく反応して元気に遊びますが、基本的には大人しい性格ですので肥満にならないように食事量をコントロールすることが大切です。
気をつけるべき病気は?
マンチカンは昔から病気を防ぐために多種の猫たちと交配してきたこともあって先天性の遺伝子疾患はほとんどありません。ですが、かかりやすい病気がないわけではないので、ここでは特にマンチカンがかかりやすい病気について解説したいと思います。
骨軟骨異形成症
「骨軟骨異形成症(こつなんこついけいせいしょう)」はマンチカンがかかりやすい病気の1つです。
骨軟骨異形成症は遺伝的な病気で、骨が正常に成長できず本来であれあば関節を保護している軟骨が、他の骨と同じように硬くなってしまう病気です。
マンチカンが、動きたがらない、足をかばうような歩き方をする、高いところから着地できない、足に触れられることを嫌がるなどの様子があれば、骨軟膏異形成症の可能性があります。
遺伝による病気なので確実な予防法がないのが現状です。なるべく激しい運動は控えて、段差を極力減らしてあげれれるように工夫するなどして、足への負担を軽くしてあげましょう。 そして早めに動物病院を受信する事が大切です。
変形した骨を治したり、変化を遅らせるような治療はないので、消炎鎮痛剤などを利用した関節の炎症を軽くする治療が行われます。
椎間板ヘルニア
「椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)」は背骨と背骨の間にある椎間板が変形して飛び出したり、背骨付近の神経に当たったりすることにより脊髄を圧迫してしまう病気です。
症状が進行すると歩行困難位なってしまうので、「あしを引きずる」「運動しなくなる」「失禁する」といった症状が見られる場合はすぐに動物病院に連れて行きましょう。
軽度のヘルニアの場合は非ステロイド系や抗炎症の投与をしますが、重症の場合は手術をする必要があります。
毛球症
「毛球症(もうきゅうしょう)」は長毛のマンチカンが特に気をつけるべき病気です。毛球症は、毛づくろいの時に飲み込んだ自分の体毛が胃や腸などの消化器官で塊となり溜まってしまう病気です。
「食欲がない」「吐き気」「便秘」「下痢」などの症状が見られる場合は早めに動物病院で診断を受けるようにしましょう。
軽度の場合は毛玉除去剤を使用して毛玉を体外に排出させます。症状が重く、腸閉塞などを起こしかねない場合は、開腹手術を行なって毛玉を取り出さなければなりません。
外耳炎
「外耳炎(がいじえん)」は耳の入り口から鼓膜までの外耳道という穴に、最近や真菌が入り込み異常に繁殖して炎症を引き起こす病気です。耳道に植物の種やホコリなどが入り込んだり、耳に寄生し激しい痒みを引き起こすミミヒダンダニなどの寄生虫が原因で発生することもあります。
外耳炎になると、耳が赤くなる、耳垢が多く出る、後足でしきりに耳を引っ掻く、耳から異臭がするなどの様子の変化が見られます。外耳炎が悪化すると炎症が耳の奥へと広がり、中耳炎や内耳炎を引き起こします。さらに神経症状を引き起こす場合もあり、顔面神経麻痺、眼球が痙攣したように動く眼振、首を傾けるといった様子が見られる事があります。
重症化してしまうと外耳炎が治ったとしても、神経症状の後遺症が残る事があります。
また、耳を掻く事で耳道が厚くなり耳の穴がふさがってしまうこともあります。その場合は手術が必要になるケースもあります。
耳の病気は治りにくく、慢性化しやすいため初期の段階で治療して悪化させない事が大切です。
長生きのための秘訣は?
マンチカンに長生きしてもらうには特に肥満に気をつけなければなりません。胴長短足の体型をしているマンチカンは、短い足で体重を支えなければならないために足や関節に負荷がかかりやすいです。適切な体重を維持することで椎間板ヘルニアの予防にもなります。食事の量のコントロールと一緒に遊んであげて肥満を防止してあげてください
また、毛が大量に抜ける換毛期では、大量の毛が胃の中で絡み合って「毛球症」になりやすくなります。短毛種のマンチカンなら1日1回、長毛種は朝晩の2回ブラッシングを行なってあげるのが理想です。